中学受験ー合格するパパの技術

中学受験――合格するパパの技術 (朝日新書)

中学受験――合格するパパの技術 (朝日新書)

父親は、母親と一緒になって受験にのめりこんじゃダメよ。ドンと構えて大極的な目線で子どもの進路を考えましょうという本。
毎日の仕事でいろいろなタイプの社会人と接しているからこそ、こんな立派な社会人になってもらいたいというイメージを持っている。そして、そんな大人になるための進路を考えられる。
しかも父親は子どもと一緒にいる時間がどうしても少なくなるので、そのおかげで客観的になれるというメリットもある。さらに、その少ない時間に与える影響はインパクトがどうしても大きくなる。
そんな特性を活かして子どもと接していけたら最高だ。そんな成功事例がいくつも登場するので参考にしたらいいだろう。

薄々感じていたけど、はっきり言って欲しくなかったこととして、早慶には大学から入るのが一番簡単だという事が書いてある。多分そうなんだろう。定員も多いし、受験機会も多いから。でも「それを言っちゃお終いよ」って感じだ。

子どもがいろいろな体験をできる様に、受験生活漬けにしない様にする指標として、受験は二回までというのはユニークだ。でも実際に多くの人は高校と大学とか、中学と大学みたいな感じで当てはまり、受験勉強は大変だったけれど、それ以外にもきちんと遊んだり部活に打ち込んだりしてきているので、確かに納得ができる。

まだ子どもが小さなうちに受験の雰囲気をつかむのにいい一冊だと思う。

グーグル時代の情報整理術

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)

グーグル時代の情報整理術 (ハヤカワ新書juice)

脳に優しい、すなわちストレスの少ない仕事の進め方を指南してくれる一冊。
そのためには目の前の仕事に関係のない事は追い出して、頭に空っぽにして集中して仕事を片付けちゃいましょう。追い出すのにGmailは最強です、という訳で活用法を紹介してくれる。
つまり基本コンセプトはGTDと共通で、インプリメントGmailGoogle Calendarが使われているわけだ。もちろんこれは著者にとって使いやすいツールであって、紙の手帳でも、ハイブリッドでも、自分のストレスの少ない方法で実践すればいいということは著者自身が言っている。
自分もこのコンセプトをいただいて、自分なりに工夫してみようと思う。
さっそく今は使っていないGoogle Calendarを試す事から初めてみよう。

学校選び

逆説的だけど、考えてみると確かにと思う記事にであった。

荘司雅彦さんの受験ブログ、8/29の「偏差値に頼らない学校選び!」というエントリより
http://blog.livedoor.jp/justice7711/archives/51855061.html

第一の指標としては、共学か男子校、女子校かの違いがある。

ぼくの乏しい経験と得た情報で恐縮だけど、昔風の「男らしさ」「女らしさ」を求めるなら共学の方がいいようだ。

異性の目が常にあるのとないのとでは大違い。

魅力的に見せようと思うだけでそれらしくなってくる。

見た目もそうだし、役割という面でもそうだろう。
刷り込まれたイメージにしたがって、男子は男子の役割を無意識にこなし、女子は女子の役割をやる。文化祭の仕事などは自然とそういった役割分担が成立してしまうので、男は男らしく、女は女らしくなるというのは十分に考えられる。
一方の別学では、そのような無意識の分担をすることができず、一度はやってみるしかないので異性の役割とされているものの大変さなどを体験して、そのおかげで異性を尊重するようになる可能性もある(異性を必要としなくなってしまう可能性もある)。

でも男子に関してはちょっと違うかもしれない。異性の目や声を意識しすぎて「昔風の男らしさ」ではなく「草食男子」になってしまう可能性もあるのではないだろうか。

いずれにしても、男女平等=男女共学っていうほど単純ではないだろうと思う。

「推薦・未履修多い、ゆとり世代新入生 大学の65%が学力不足配慮」ってどういうこと?

少し古いニュースですが(2010年7月26日東京新聞より)。

 入学者の学力低下をめぐり、さまざまな工夫に取り組む大学が増えている。

 聖学院大(埼玉県上尾市)は、入学前の二〜三月に十日間程度の補習を受けてもらう「準備教育」をしている。国語、数学、英語の三教科で、同大の非常勤講師らが連立方程式など中学レベルの基本も指導。受講料は二万円で、例年、入学者の四割程度が参加、「スムーズに大学の勉強に入ることができた」などの声が寄せられるという。

 同大は「短期間で学力が上がるわけではないが、勉強する習慣も身に付けてもらい、入学後につなげている」と話す。

 大東文化大(東京都板橋区)は早ければ来年度から、埼玉の県立高校と連携して、一部の学生が入学後に高校で補習を受けるようにする。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2010072602000190.html

私には理解できません。
入学テストって何のためにあるんでしょうか?その大学で学ぶ、研究する力があるかを確認して選抜するのが入試だと思っていましたが、現実には点数順に並べて定員のところで切るという使い方をしているようです。これでは合格したけれど学力が足りないということも起こりえるわけです。
大学に進学するけれども勉強する習慣もないとか、高校生と一緒に補修を受ける大学生ってなんなんでしょうか。

そうは言っても若者にばかり文句を言うのは間違いだと思います。やはり自分たちの基準に満たないものに経営上の理由から合格を出す大学側、さらには受験競争は可哀想だという間違った思いやりから本来学ぶつもりもなかった若者まで誰でも大学に進学できるように大学を設置しまくった行政にこそこのような事態に陥った原因があるからです。
教育を建て直し、人材で国を立て直すつもりが本当にあるのであれば、必要な補助金を出して経営上の理由から不要な合格者を出さなくてもいいようにするとか、高校+αのような大学は整理するなどの厳しい対応が必要なのではないでしょうか。

見かたを変えると今の大学は大学院に進学するための予備校なのかもしれません。だから大学卒には価値がなく就職に苦労することになるのではないでしょうか。

大学のあり方という根本的なところに問題があるように思います。

情報の文明学

情報の文明学 (中公文庫)

情報の文明学 (中公文庫)

私が「知的生産の技術」を読んだのは小学校の高学年か中学生の頃。それ以来、情報とツールに興味を持ってきた。私の机が周りの人より少しは片付いている原点はここ。
私に大きな影響を与えた梅棹忠夫さんが亡くなられたというニュースを聞いて、改めて氏の著書を読んだ。
驚かされるのが1963年とほぼ半世紀前に書かれた論文が現在の社会を正確に予言しているという事だ。予言という表現は正しくないのだけれども、そういう言葉を使いたくなるほど正確な分析と鋭い洞察がなされている。心から尊敬するとともに、自分もこうなりたいと思う。

知的生産の技術 (岩波新書)

知的生産の技術 (岩波新書)

「教職員8年で2万人増 小中校35人学級化へ」だって

 文部科学省は二十四日、現行の四十人学級を段階的に三十〜三十五人に引き下げ、教職員を八年間で計約二万人増員する新たな教職員定数改善計画を作成した。一学級あたりの人数の上限引き下げは、一九八〇年度に四十五人から四十人に減って以来、約三十年ぶり。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2010082402100006.html

先生一人当たりが教える子どもを減らせば目が届くようになって落ちこぼれがいなくなるだろうというという単純な発想からでた施策なのでしょう。でも、そんな単純な話ではないでしょう。この理屈で言ったら昔の兄弟が多い家庭や一クラスが40人以上だったような私の世代はバカばかりってことになってしまいます。
ところが実際は兄弟が多いと親の目がいきわたらない代わりに兄弟が支えあったり、大人数の教室でも友達同士が問題出し合ったり教えあったりなんてことが起こるわけで、全てを大人が与える必要はなかったりします。それどころか子どもが自分で考える必要があるわけで、この方が良い可能性もあったりします。

少人数教育で大人(先生)がきめ細かく指導するっていう考え方は、総合の時間に代表されるような自分で考える力を育てましょうという流れに逆行するのではないでしょうか。

さらに疑問なのは少人数クラスが義務教育の9年間に対して一律に適用されようとしていることです。小学一年生と中学生ではできることが違います。中学生なんて大人予備軍ですからクラス運営とかある程度は自分たちでやっていけるようになってくれないと困るでしょう。中学生のクラスが小規模になってしまったら大変そうな気がします。みんな複数の仕事を受け持って大忙しになってしまわないのでしょうか。

小学一、二年生を少人数編成にして手厚く見るけど、それ以上は今まで通り(もしくは以前の45人編成に戻す)なんていうメリハリをつけた考え方をしたほうがいいと思います。

繰り返しになりますが、子どもは成長するわけで、幼稚園児に限りなく近いお子ちゃまとほとんど大人な中学生を同じ枠組みにはめようというのは無理があると思います。学校生活のイメージを想像してみれば違和感があると思うのですが、そういう思考実験的なことはしない(できない?)のでしょうか。

ドラマ「受験の神様」

うちのレコーダのHDDに残っていたのでお盆休みに見ました。
実際に中学受験の真っ只中にいると大変さがわかるだけに感動も一段と大きくなります。
受験の神様の言うように小手先のテクニックを覚えるだけではない、勉強の楽しさを知ってもらいたいと思いました。

ところで、これ第一話の冒頭が録画されていなくて「気楽な感じで模試を受けて、その悪い結果から受験勉強をしたいと言い出す」という大事な導入部分がわからないのです。再放送しないかな。