「推薦・未履修多い、ゆとり世代新入生 大学の65%が学力不足配慮」ってどういうこと?

少し古いニュースですが(2010年7月26日東京新聞より)。

 入学者の学力低下をめぐり、さまざまな工夫に取り組む大学が増えている。

 聖学院大(埼玉県上尾市)は、入学前の二〜三月に十日間程度の補習を受けてもらう「準備教育」をしている。国語、数学、英語の三教科で、同大の非常勤講師らが連立方程式など中学レベルの基本も指導。受講料は二万円で、例年、入学者の四割程度が参加、「スムーズに大学の勉強に入ることができた」などの声が寄せられるという。

 同大は「短期間で学力が上がるわけではないが、勉強する習慣も身に付けてもらい、入学後につなげている」と話す。

 大東文化大(東京都板橋区)は早ければ来年度から、埼玉の県立高校と連携して、一部の学生が入学後に高校で補習を受けるようにする。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2010072602000190.html

私には理解できません。
入学テストって何のためにあるんでしょうか?その大学で学ぶ、研究する力があるかを確認して選抜するのが入試だと思っていましたが、現実には点数順に並べて定員のところで切るという使い方をしているようです。これでは合格したけれど学力が足りないということも起こりえるわけです。
大学に進学するけれども勉強する習慣もないとか、高校生と一緒に補修を受ける大学生ってなんなんでしょうか。

そうは言っても若者にばかり文句を言うのは間違いだと思います。やはり自分たちの基準に満たないものに経営上の理由から合格を出す大学側、さらには受験競争は可哀想だという間違った思いやりから本来学ぶつもりもなかった若者まで誰でも大学に進学できるように大学を設置しまくった行政にこそこのような事態に陥った原因があるからです。
教育を建て直し、人材で国を立て直すつもりが本当にあるのであれば、必要な補助金を出して経営上の理由から不要な合格者を出さなくてもいいようにするとか、高校+αのような大学は整理するなどの厳しい対応が必要なのではないでしょうか。

見かたを変えると今の大学は大学院に進学するための予備校なのかもしれません。だから大学卒には価値がなく就職に苦労することになるのではないでしょうか。

大学のあり方という根本的なところに問題があるように思います。