おせっかい教育論
学級崩壊はたまたま教室で顕在化しているだけで家庭が崩壊しているのだとか、ここまで何十年もかかって三代にわたって生活習慣が解体してきた結果なので修復にも三代かかるという話はわかりやすかった。
確かにきちんとしていると思う子は、きちんと親子のコミュニケーションが取れているというのが実感。
反対に家庭は崩壊しているけど、塾でバリバリ勉強して超優秀という子を見かけることもないというのも実感。
家庭の大切さを改めて認識した本です。
過酷な状況で見えてきたこと
大震災と原発事故のダブルパンチで社会は不安で満たされている。こういう精神的に辛い状況に置かれ続けると人の本質が見えてきたような気がしています。
それは、
人は怖いもの・ことを恐れるが、何よりも一番怖いものはわからないもの。
人は正しいことを信じるのでなく、信じたいものを信じる
どんな物事にも長所と短所があり、裏返しの関係だったりするので、何かを良かれと思って対処しても裏目に出るなんてことは普通によくある事でしょう。だから絶対に正しい答えなんてある方が珍しく、じゃあどっちを取りましょうか?って時には信じたい情報だけを取り入れて判断する傾向があるような気がしてきています。
だから原発が安全か危険かなんて議論も、自分の信じる前提のもとにみんなが意見を言っているので一つの結論に達する事はないでしょう。どんなに説明しても信じたい事しか聞かないのだから。
ちなみに自分はなるべく楽観的に考えるように選択をしている様です。これは色々な厳しい体験をしてきた中で自分の心を守るために身につけた傾向なんだと思います。
総括、中学受験を振り返ってみると
受験が終わって、無事に進学先が決まった。
結果はともかく、実際に中学受験生の親というもの体験してわかったことは、中学受験はとても貴重な体験ができる家族イベントだということだった。
大部分の親が持つ受験のイメージは自分が体験した高校受験や大学受験なので、世間の論調も「あんなことを小学生にやらせるのはかわいそう」という否定的な論調になりがちだけれども、現実はだいぶ違うと感じた。
なお、こういった感想は結果に満足しているのか、不本意な結果になったかで全く違う感想になる可能性が高いので、その点は差し引いてもらう必要がある(実際に塾に関する口コミは同じ塾の評価でも正反対の結果になっているし)。
特に大きな違いであり、有意義だと感じたのは次の2点だった。
- 学校に個性があり、偏差値輪切りを超える選択が可能なこと
私立の中高一貫校の多くはそれぞれの価値観に基づいた教育を行っているところが多いと感じた。学問に対する考え方、宗教(道徳)教育、思春期の子どもに対する接し方などいろいろな面から見てみると学校ごとの違いが見えてくる。中には進学実績が第一と感じられる塾と区別がつかないような学校もある(特に中堅に多いような気がする)けれど、そうでない学校の方が多いと思う。その中から、自分の子どもが将来どういった大人・社会人になってもらいたいかを考え、それを実現する場としての学校を選択するのは大変だけれども楽しい時間だった。これが高校受験になると進学実績や偏差値が基準となってしまうし、子どもも大きくなってしまっていて現実的な選択をするしかなくなっているのではないかと思う。(まだ経験していないので実際のところはわからないですが)
- 親の干渉が可能で、親子で力を合わせてともに進むことが可能なこと
子どもが大きくなってしまうと、意見を言っても反発されることが多くなるだろうけれど、まだまだ小学生のうちは話をすることが可能だった。そもそも意見をするような選択肢があるのかどうかも不明だけれども。
もちろん楽なことではなく、子どもだけではなく親も大変なことの方が多かったけれど、小さな兄弟も含めて家族で協力し合って乗り越えてきた経験は貴重なものだったと思う。小学生にもなれば、この経験は忘れることはないだろう。
塾は勉強は教えてくれるし受験校の提案もしてくれるけれど、やはり判断は本人と親がしなければならない。納得できる選択をするためには多くの学校を見て、先生の話を聞いてみるのが一番の材料になったと思う。子どもの直観も侮れないものだ。あくまでも塾はツールのひとつであって、塾任せでは中学受験プロジェクトをやる意味がないと思う。
最終的には本人が頑張るしかない。本人は辛いだろうが、親も身代わりになれないことが本当に辛い。親にできることは将来イメージを伝え、子どもが頑張れるように夢という燃料を与えてあげることだけだ。そしてあとは自分の子供を信じるだけ。これが一番難しかったかもしれない。
消える学力、消えない学力 算数で一生消えない論理思考力を育てる方法
消える学力、消えない学力 算数で一生消えない論理思考力を育てる方法 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 田中保成
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
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これを「答えを求めること」に力をおいてしまうと、掛け算の文章題で「掛ける数」と「掛けられる数」を入れ替えても正解でいいじゃないかっていう議論が始まってしまうのだろう。単純計算と式のたて方は分けて、意識しておく必要がある点でしょう。
本書では'+'記号ひとつがもつ5種類もの意味を丁寧に説明することからはじまり、それらの記号(ツール)を活用する10種類の力について、その内容と身につける方法を具体的に教えてくれる。
大人こそ読むべき算数、論理的思考の入門書だろう。
40歳の教科書 親が子どものためにできること
40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
- 作者: モーニング編集部,朝日新聞社
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/07/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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第一章の英語に関する章がおもしろく、みんな小学校での英語の時間は不要で母語である日本語をきちんと使えるようにするべきだということで共通している。これは納得の意見だと思う。唯一反対意見を述べているのがデイブ・スペクターで、Nativeの人は聞き取りにくい発音をなんとかしてくれと思っているということがわかって面白かった。これはステップの問題であって、デイブも発音だけ良くて中身のない会話をされたら違うことを言うのだろう。
第二章の中学受験もほとんど納得の意見が続くが、藤原和博さんだけが話がまとまってなくてどうしちゃったんだろうという感じだったのが残念だった。公立中学の校長だった経験が、それをその他の公立中学全般に広げて話をしてしまうのでどうしても納得ができないのだろう。和田中と一般の公立中学を同列に議論をするのは無理がある。校長が信念を持って学校運営をしている公立学校は、その信念・理念に基づいて学校運営をしている時点で、どちらかというと私立学校に近くなっていると考える方が実態にあっているのではないかと思った。
全体としてはとても良い教育関連の本でしょう。小中学生を持つ親は読んでおいて損はない本です。
偽善エコロジー
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書)
- 作者: 武田邦彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
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そんな中、眠くならずに軽く読める本ということで本書を入手。
巷で行われているエコロジーな活動の8割ぐらいが否定されている。
レジ袋は処分に困った石油由来の資源を活用したもので、それを廃止することで却って他の目的にも使える有効な資源を消費することになるという。エコの名を借りた商業活動でしかないという話だ。
唯一意味があるのはアルミ缶のリサイクルくらいで、それ以外は結局捨てられている可能性が高いらしい。そんな背景があり、アルミのリサイクル工場ではこれでもかというデータを提示してフルオープンで説明してくれるのに、その他のリサイクルの現場では企業秘密だと言って資料を開示しないという話は面白かった。
それにしても、私たちは何を信じて生きていけばいいのか考えさせられた。