消える学力、消えない学力 算数で一生消えない論理思考力を育てる方法

「算数・数学は答えを求めることが目的ではありません。相手を説得することのできる筋道を見つけ出すことが目的です。」という算数教育を実践してきた人の本。「相手を説得することのできる力」=「論理思考力」ということでしょう。つまり算数・数学は他人に納得してもらえる論理を組み立て、伝える力をつけるための勉強なんだということです。
これを「答えを求めること」に力をおいてしまうと、掛け算の文章題で「掛ける数」と「掛けられる数」を入れ替えても正解でいいじゃないかっていう議論が始まってしまうのだろう。単純計算と式のたて方は分けて、意識しておく必要がある点でしょう。
本書では'+'記号ひとつがもつ5種類もの意味を丁寧に説明することからはじまり、それらの記号(ツール)を活用する10種類の力について、その内容と身につける方法を具体的に教えてくれる。
大人こそ読むべき算数、論理的思考の入門書だろう。