「教職員8年で2万人増 小中校35人学級化へ」だって

 文部科学省は二十四日、現行の四十人学級を段階的に三十〜三十五人に引き下げ、教職員を八年間で計約二万人増員する新たな教職員定数改善計画を作成した。一学級あたりの人数の上限引き下げは、一九八〇年度に四十五人から四十人に減って以来、約三十年ぶり。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/education/edu_national/CK2010082402100006.html

先生一人当たりが教える子どもを減らせば目が届くようになって落ちこぼれがいなくなるだろうというという単純な発想からでた施策なのでしょう。でも、そんな単純な話ではないでしょう。この理屈で言ったら昔の兄弟が多い家庭や一クラスが40人以上だったような私の世代はバカばかりってことになってしまいます。
ところが実際は兄弟が多いと親の目がいきわたらない代わりに兄弟が支えあったり、大人数の教室でも友達同士が問題出し合ったり教えあったりなんてことが起こるわけで、全てを大人が与える必要はなかったりします。それどころか子どもが自分で考える必要があるわけで、この方が良い可能性もあったりします。

少人数教育で大人(先生)がきめ細かく指導するっていう考え方は、総合の時間に代表されるような自分で考える力を育てましょうという流れに逆行するのではないでしょうか。

さらに疑問なのは少人数クラスが義務教育の9年間に対して一律に適用されようとしていることです。小学一年生と中学生ではできることが違います。中学生なんて大人予備軍ですからクラス運営とかある程度は自分たちでやっていけるようになってくれないと困るでしょう。中学生のクラスが小規模になってしまったら大変そうな気がします。みんな複数の仕事を受け持って大忙しになってしまわないのでしょうか。

小学一、二年生を少人数編成にして手厚く見るけど、それ以上は今まで通り(もしくは以前の45人編成に戻す)なんていうメリハリをつけた考え方をしたほうがいいと思います。

繰り返しになりますが、子どもは成長するわけで、幼稚園児に限りなく近いお子ちゃまとほとんど大人な中学生を同じ枠組みにはめようというのは無理があると思います。学校生活のイメージを想像してみれば違和感があると思うのですが、そういう思考実験的なことはしない(できない?)のでしょうか。