「天才」の育て方

「天才」の育て方 (講談社現代新書)

「天才」の育て方 (講談社現代新書)

五嶋みどり五嶋龍を育て上げた母の書いた子育ての話。
このタイトルから、小さいころからバリバリと英才教育をしてきたのかと思ってずっと敬遠していたのだけれども何故か手にとってしまった。目次に目を通してみたら思い込んでいた内容とぜんぜん違っていた。

目次
「天才」って何?――まえがきにかえて
第1章 親子は「コミュニケーション」がすべて
第2章 サル真似のススメ
第3章 あなたは私の「世界一」
第4章 過保護のどこが悪いのか?
第5章 お母さん、自信を持って!
子どもの人生、親の人生――あとがきにかえて

帯に書かれている『アホンダラ神童! くそったれ天才! 五嶋流「体当たり教育論」』の方がずっとよく内容を表している。と思ったら、この言葉こそ著者本人がつけたタイトルで、あまり表現がよろしくないので編集者が選んだタイトルが表題のタイトルなんだそうで。納得しました。

とっても真剣に子育てをしてきたことがわかり、自分も今の調子で一生懸命に子どもを育てていこうと改めて考えることができた一冊でした。

意外だったのが龍くんが通っていたNYの公立小学校の話。

龍がニューヨークの公立小学校に通いはじめたときのことです。日本の最近の公立小学校では、宿題がどんどん少なくなって、ほとんど出さない学校もあると聞きますが、アメリカの小学校は、それに比べてずいぶん宿題が出ます。そして、学校の先生は、両親あるいは親戚などの保護者に対して、一緒に手伝ってやってください、というのです。
これには、最初は驚きました。アメリカというのは独立心旺盛というか、自立した個人を育てる国だと思っていましたから、親が積極的に子どもの宿題を手伝うように勧められたことには、仰天しました。いや、勧められた、という以上に、命じられた、といったほうがいいくらいです。でも、それによって、親子が一緒に道を歩むというか、親子のコミュニケーションが成立するという利点があるのです。