サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法
サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法 (edu book)
- 作者: 池上正
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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サッカーの専門家からみた小学生以下の子どもの指導方法の提案です。と言っても、技術指導の本ではありません。反対に技術指導や勝負中心の現在の指導方法に対する警鐘の書といってもいいでしょう。技術書ではないので日常の子育てにも応用可能な内容で、どなたにでもお勧めできる本です。
そうは言っても、やはり内容はサッカー中心です。少年サッカーの指導書としてみても驚かされる内容に満ちています。
サッカーの先進国を見回すと、ブラジルもヨーロッパのどこの国でも小学生年代の全国大会は開催されていません。日本や韓国など東アジアの国だけです。実はブラジルでは、かつて小学生の全国大会を開催していた時代があったそうです。ところが、その時代にいい選手が生まれているかというと、結果的に育っていなかったのです。それで、ブラジルは開催自体をやめてしまった。全国大会がない時代のほうがいい選手が育っていたことに気づいて大会の歴史を閉じたのです。
こういった事例を添えて、日本のサッカー教室と世界、それもサッカー先進国の子どもの育成の仕方を比較して、子どもたちがのびのびと、自分たちのサッカーをできる環境の与え方を語っています。
その基本は子どもが自分で考えてプレーをできるように補助をするという姿勢ですので、それ自体は他のスポーツでも習い事でも、勉強でも使える方法です。
その考え方は以下の文章にも表れています。
大人が気づいたり考えていることを、子どもが先に気づいたり考えられるわけがない。だからこそ大人は待ってあげて、子どもたちに見つけさせてあげる。子どもたちがいつでも「自分で見つけよう」「自分で考えよう」と思うように育てるだけで、間違いなくうまくなります。
そして現在の勝利至上主義のコーチに対しては時に厳しい言葉を使っています。
- 自分の「部活体験」を参考にしていませんか?
- 中途半端にサッカーをやっていた人が、一番危ない
- 「支配」ではなく、「対話」を
小学生、幼稚園児と関わる全ての大人に読んでもらいたい本でした。
対話をする、聞く、整理するというのは先に読んだ「EQ教育」とも共通するポイントでした。
これらが子どもの教育とって重要だというのは世界共通なんだと思いました。