無趣味のすすめ

無趣味のすすめ

無趣味のすすめ

趣味が悪いわけではない。だが基本的に趣味は老人のものだ。...

一生懸命に仕事をして進んでいる間は趣味などに時間をつかっている場合じゃないということだろうか。
たとえば「夢と目標」というコラムにはこんなことが書いてある。

人生やビジネスに目標を持つべきだ、というようなことが最近よく言われるが、私はそういう言い方に違和感を覚える。目標というものは、「持つべきだ」とか「持ったほうがいい」ものではなく、「持たなければいけない」とわざわざ啓蒙するものでもない。人生のあらゆる局面における「前提」なので、そのことがコンセンサスになっている社会では、目標を持つことについて語られることはないからだ。
目標は、あったほうがいいという程度のものではなく、本当は水や空気と同じで、それがなければ生きていけない。目標を持っていなければ、人は具体的にどういった努力をすればいいのかわからない。ものごとの優先順位もつけられない。また当たり前のことだが、目標は天から降ってくるものではないし、誰かから与えられるものでもない。自ら設定できなければ何の意味もない。

さすが村上龍だ。思考の深さと言葉の鋭さに感動を覚える。
いつまでも手元に置いておき、何度も開きたくなる一冊だった。