日本語は論理的である
- 作者: 月本洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 単行本
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日本語は特殊でも非論理的でもない!
人工知能研究と脳科学の知見を武器に、
形骸化した学校文法からは見えなかった、
日本語の論理が持つ普遍性と特徴を、非常に明快に解説。
返す刀で、小学校での英語教育の根源的問題点を突く。
理系と文系を架橋する、まったく新しい角度からの日本語論。
これもどこでブックマークしたのか忘れてしまったが、日本語によるコミュニケーションが課題の自分にとってはとても勉強になった本でした。
論理にはいくつもの種類があって、日本語の論理と英語の論理は別のタイプのものが主流であるというのは知らなかった。大学で論理学をとったはずなのだが、知らないことが次々と出てきて驚いた。まあ、本を読むだけの手抜き講義で、かつ電子回路に特化した工学限定の論理学だったんだなと思うことにした。
もうひとつ目から鱗だったのは、一般的に考えている日本語の文法というものが、実は学校教育用に考えられた偏った文法定義で、外国語としてまっさらから日本語を学ぶ人には別の系統の日本語文法があるということだ。しかもこちらはきちんと説明ができるようになっているじゃないか。
ちなみに問題の学校の国語文法は英語から借りてきたものとのこと。これは害のほうが大きいと思いました。日本語文法の説明のほうが、私にとってはずっと納得できるものでした。
毎度思うことだけれども、教育改革は国語からやらなきゃいかんとまたまた確信しました。
国語の授業は道徳的な文学の読み取りを減らし、論理の構築、その発露としての作文の指導をきちっとやる必要があります。形式だけのディベートをやっても、自分の意見を筋道立てて整理する方法を練習しないと意味がないですし。
これができると、日本語との比較で英語を理解することができると思うんですよね。この言葉を操る基本を全員がきっちりとやるのであれば、意味のわからない文系・理系という分類は不要になるんじゃないかとも思いました。
いや〜、勉強になった本でした。