普通の家族がいちばん怖い
- 作者: 岩村暢子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/10
- メディア: 単行本
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その調査結果を見ているうちに家庭での親子関係の希薄さが見えてくる。
この本で紹介されている事例は、どれもこれも極端な話でとても信じられないものばかり。でもデータはそれが特別な話ではないという。
その原因は親が「自分が楽しいこと」しかやらないことだという。意見子どものことを考えてやっているようなこと(クリスマスの飾りつけのようなこと)もよく話を聞くと「子どもの喜ぶ顔を見ていると自分が楽しくなる」からやっている。子どもがサンタを信じなくなった瞬間に「自分がしらける」から何もやらなくなるのだとか。何でクリスマスや正月に家族が集まるのかまったく考えていない。正月の飾りの意味なんかどうでもいい。楽しいからやっている、盛り上がるから、ノリでやっている。そんな遊び(決して行事ではない)に引きずりまわされる子どもはかわいそうでならない。
しかもエピローグではそんな母親が半数近いのだという(ちなみに調査対象が母親だけだっただけで、今の母親がしっかりしていないという意味ではありません)。
これじゃあ格差社会にもなるし、この親にしてこの子ありって感じで格差が固定化するのも仕方がない。
残念ながらこの問題を一気に解決する方法は思いつかない。一人ひとり自分が影響を与えられる範囲で話をしてい、考える人を増やすことしかないだろう。
家庭教育に関心のある人は一読してもらいたい衝撃的な本でした。