身につけよう!江戸しぐさ

身につけよう!江戸しぐさ (ロング新書)

身につけよう!江戸しぐさ (ロング新書)

地下鉄のポスターを見て興味をもった江戸しぐさの本を何冊か読んだうちの一冊。何冊も読んでも基は一つなので、この一冊で十分だろう。
全国各地から多くの人が集まり、密集して暮らしていた江戸の町。そんな町でどのようにしてストレスなく、共に生きていくのか、そのように考えた知恵や心構えが集められた江戸しぐさ。でも本当に大切なのはその根本にある考え方でしょう。だからこのような本を読む場合には個々の「しぐさ」はどうして一つの型として残ったのか、その背景を考えながら読む必要があるでしょう。
今の暮らしと大きく違うのは、ここの「しぐさ」の判断基準は相手や周りのみんなにとってどうなのか、いいことなのか、悪いことなのかを考えているということでしょう。相手に迷惑を掛けないようにする、ちょっと思いやり身を引く。それができればこの様な本で学ぶ必要もないことなので、だからこそ今まで資料としてまとまったものがなかった(作る必要がなかった)のでしょう。
つまり、「江戸しぐさ」に関する書籍、資料が作られるという今の状況は、それを語り継ぐ、実践して子どもに伝える人が絶滅しかけているくらいの危機的な状況と考えられます。
ポスターをきっかけとして関心を持つ人が増えて復活することが期待されます。自分も実践して子供たちに伝えていきたいと思います。
図書館で借りた本ですが、そのうち買うと思います。