驚異の学力づくり

驚異の学力づくり

驚異の学力づくり

この本も図書館で目にとまった本。脳科学者の川島先生の話は「脳の力こぶ」[id:rootbarrier:20080205]で読んでいるので、名前を聞いたことがなかった杉田先生の話を中心に読んだ。杉田先生は小学校の校長先生。
この学校では「わかる」よりも「できる」を優先して、基本的な読み書き計算の練習を毎日やって成果を挙げている。蔭山先生と同じ方法をまったく独自にやっていたそうです。そういえば自分のときは計算や漢字の小テストを毎朝やっていたよな。そういう訓練を重ねることで、あるとき「わかる」がやってくる。そういう方法です。
今のゆとり教育は考える力をつけるというお題目のために最初に「わかる」ための議論をして、それから「できる」に進もうとしているそうで、その結果わからない子はわからないからできない。わかる子はできるという二極化をもたらしているという。(同様のことはこの本だけでなく、今週のダイアモンド誌の特集でも言われています)
たぶん自分が受けていたような「とにかく解けるようになる」方式、いわゆる詰め込み教育への反動なんだろうけど、その結果不幸な(わからない)子どもが増えていると現実を直視して、できるだけ早く新しいやり方に切り替える必要があるでしょう。そのためには学習指導要領の改定なんて必要なく、とにかく現場で運用を変えていくことが大事でしょう。そしてすでに行動を起こしている先生は成果を挙げてこういう本にまとめてくれているのでしょう。